上場企業に求められる日英同時情報開示
東証がプライム市場に上場している企業を対象に、重要情報の英文開示の義務化を検討しているというニュースがありました。
その対象となるのは、決算短信をはじめ、有価証券報告書やアニュアルレポート、適時開示資料までもが日英同時開示を求められるそうです。
これまで決算資料等は外注して翻訳しており体制が出来上がっていたという企業でも「今後スピードと分量を求められるのであれば、現状の対応を見直さなくてはならない」という話もよく聞きます。
AI翻訳とレイアウト調整の障壁
さらに特筆すべきは、翻訳の正確性よりも開示のスピードを重視するように推奨していることです。これでは暗にもっとAI翻訳を活用しろと言っているのも同然ではないでしょうか。
実際、すでにIR資料等はAI翻訳で対応されているという企業も多いかと思います。
ですがAI翻訳でも、日本語の決算資料等のPDFをAI翻訳にかけて完璧な形式で英語に変換するということはまだ難しく、PDF作成前のwordなどをAI翻訳にかけた後、人間が手動でレイアウト調整を行うなどの人的工程が発生してしまいます。
それはやはり時間のロスにつながりますし、社内リソースの労力や、外注した場合はコストもかかるということになりますので、情報公開量の減少へとつながって来てしまいます。
日本語のPDFに比べて、英語のPDFではページ数が少なくなっているというケースも散見され、我々の視点では、企業側の苦労を感じてしまうこともあります。
日英同時情報開示にどう効率的に対処するか
用語集、対訳表の準備はお済みでしょうか?
まずは、これまでに英訳されて来た過去の翻訳資産を、最大限に活用していくことが重要です。...